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第33回 法歯学研修会の報告
8月19日歯科医師会館で大阪自動車道連盟の専務理事(元陸上自衛隊歯科医官一等陸佐)の松田高広先生の「特殊災害における人体の受傷」についての講演があり細菌兵器を使った特殊武器による攻撃を本土に受ける可能性も指摘されました。
細菌兵器の利点は①武器には手を触れず人間だけを殺す②密閉された空間にも侵入できる③容易にかつ安価に生産でき散布し易い④通常の研究所で開発することが可能である⑤相当量の細菌兵器が秘密裡に、個人の家屋内でも生産できる。従ってその時の治療法や自衛隊としての対応行動等を話されました。
第2部は兵庫県歯科医師会警察歯科医会副会長及び、宝塚市歯科医師会長田川宣文先生の「身元確認と一般歯科医の果たす役割」のお話がありました。
近年において死体遺棄事件の犯罪や孤独死が増しており東日本を襲った地震津波災害で多数の身元不明のご遺体の存在で警察歯科医としてその現場に急行しその治療の特殊性が事故や犯罪捜査の解決に有効とされてきました。一瞬にして家族も家も跡形もなくなった自宅の前で若い娘さんのみが残され道路上で泣き叫んでいる姿、学校のろうかで孫のランドセルをだきしめてうずくまっているおじいさん、2人の小さな子供をかかえたまま、家の階段を上がろうとして亡くなられているお母さん、本当に神も仏もあるものかと思われるスライドには涙が出てしまいました。この震災の時には自連の先生方の中に日本法医学会に所属している自連会員の篠田先生が4月18日から24日にかけて宮城県石巻にて一週間活動され33体の検死、又7月1日から7日にかけて岩手県宮古、釜石、陸前高田にて再度活動され、11体の検死をされました。
近郊の歯科医院も水で流されてしまったため、照合するカルテもない事があり、支払基金にあるレセプトと照合するなどかなりの御苦労があったようです。一日でも早く身元確認し、御家族の元へとの気持ちでかなり御苦労されたようであります。一般歯科医師の先生方が治療以外の社会貢献として実は事件解決に重要な役割を果たされている事を認識させられた1日でした。
2017-09-04 19:35:00
平成29年